イギリス人のおすすめ 日本の小説ベスト5

人生ガイド

僕が好きな日本の小説は以下の5つになる。大学時代や留学時代には色々読んだりしとったから、紹介したいと思います!

読んでみて、ご感想を教えて欲しいねんな!自分がいっちゃん好きな小説はどんなん?この5つの小説は読んだことがあるん?なんでもええねんから教えといてな!

1. こころ ー 夏目漱石

夏目漱石の「こころ」は僕の一番好きな小説やねん。日本の学校ではみんな一度は抜粋された形で触れている作品やし、海外でも日本の有名な小説としてよく知られとる。英語版は一つだけやなくて、数人の翻訳者に訳されているもんがあり、翻訳者によって英語のニュアンスや流れが少し異なっているみたいやねん。

「こころ」は少年が鎌倉海岸で「先生」と呼ぶようになる人物との出会いの話。正確に言うと、途中で主人公が代わる小説で、前半は少年の立場からで、後半は「先生」の立場からとなる。このスタイルこそ面白くて、同じ話を2人の立場からみられて、少年が知らないものかつ先生が知らんもんのどっちも僕らにわかってまう。

初めて読んだんは高校で大学受験のときで、オックスフォード大学の日本学部の面接の準備としてこの小説をはじめ「雪国」「ぼっちゃん」「千羽鶴 」なども読んでんねん。「こころ」は多くの自己啓発本や読書を薦める本の中で、必ずと言うてもええぐらい紹介されていた小説やったんで、最初に購入してすぐに読んだ。当時、僕は17歳で、英語版を読んで考察などはしなかったが、ただただ熱情にまかせて読んだ。初めて読んでから4年が経った留学時代に日本語版に挑戦してみて、ストーリーを完全に別の視点で読むこととなった。ネタバレをせずに、うまく言うと、「こころ」は決断力とそれに伴う孤独さについて書かれていると感じてん。少年には色々決断することがあったり、先生の過去にも決断したことがあったりした中、なぜかこの2人が交流を深めていくことになる。決断したことが良かったかどうかは別として、その後の感情の重さ、周りがいるのに感じてしまう孤独さ、または世俗から離れた達観がなぜかある。どんなに偉そうに見えても人は様々な経験を積み重ねて、そこに嫉妬、強欲、地位などが絡んで複雑で、それらが渦巻く心の理解など簡単に出来そうもない。夏目漱石は「こころ」でまさにこういうことを描いてくれていると思うねん。

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2. ノルウェイの森 ー 村上春樹

これは映画を見てから原作を読んだ。映画と原作はいくつかのところが異なっており、映画では過去についてのシーンは省かれており、原作の方が過去のシーンが多いため、原作を読んだ方が話がわかりやすい。映画を見るだけでは「なんでそういうことになったんだろう」ということがたくさんあるが、原作を読んでみると「そういうことだったんだ!」とわかる。特に玲子さんの過去の話は映画では一切触れられておらず、急に登場してくる人物になってしまうが、小説には過去のことが具体的に書かれており、玲子さんがなぜ今その場にいるのか、なんでそうなったのか、全部わかる。

まるでイギリスの天気のように、暗い空からダラダラと雨が降っているような雰囲気の小説だ。この小説の主なテーマは死とセックスという2つが挙げられるが、その背景には死を選ぶ人もいれば生きることを続ける人もいるということがある。その選択に直面しているのは主人公のワタナベ君で、彼は意外と人のことを深く思ってしまう。それで、彼自身が何回も辛い思いをし、色々な形で周りの女性の方に頼ったりする。正直に言うと、村上春樹がこの本を通して何を伝えたかったのか、よくわからないが、謎すぎるからこそこの小説が好きになった。自分が解けないミステリーというか、この小説を読んで僕は何を学ぶべきだったのか気になって仕方がない。村上が伝えたかったポイントはピンと来ないが、愛する人を亡くすことの重さは感じた。ネタバレにはならないと思うが、1ページ目はワタナベ君の友人が自殺したエピソードについてであり、最初のページ目から読者である我々は死と直面することになる。そういう始まりで、小説のトーンが全体的に暗めになっており、そこから主人公の立場に立ち、少しずつ自分の目が死と切なさで濁ってしまい、目の前が真っ暗になっていく。そういう意味でいうと、自分の中にある暗い想いや怖れているものに直面し、自分の恐れを克服する機会にもなると感じた。

せめて一回は読むべき小説だと思うので、ぜひ読んでみてほしい。

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3. ぼくは明日、昨日のきみとデートする ー 七月 隆文

映画を二回見て、これは原作も読まなくてはと購入、数時間で読んでしまった。DVDを買ったら、翌週にはネットフリックで見られるようになった。もったいないなと思った!

真面目な話にもどると、映画を見たときも、原作を読んだときも、涙が出てしまった。映画と原作の内容はちょっとしたシチュエーションの地味な違い以外はほぼ同じなので、原作を読んだときは愛美の秘密を知りながら読むことになった。感動のあまりなのかわからないが、話が素敵すぎて泣いてしまう。

「こころ」と同じように前半と後半の主人公が代わる小説だ。前半は高寿という男性で、後半は彼の彼女の愛美に変わる。こうやって、同じ話であるものの、2つの全く違う視点で触れることによって感動が重なる。後半の前向きな話があるからこそ、後半の切なさを100倍ぐらい感じてしまう。また、名言がたくさんあった。「ぼくたちはすれ違ってない。端と端を結んだ輪になって、ひとつにつながってるんだ」という高寿のセリフはこの小説のキャッチフレーズである。1回目読み終えて、改めて最初に戻ると愛美の言動一つ一つがただただ切なく感じられて、愛美の最後の日に高寿のもとに辿り着く努力など、関係をつなぎとめようとする2人の意志の強さにうるっときてしまった。

一言言わせてもらうなら、高寿は関西出身のはずなのに、なんで関西弁じゃないのだろう?笑 映画も原作も京都設定になっているのに、なぜ全員が標準語そ話すのだろうか?そこだけだけど!ロマンチックSFの好きな方におすすめなので、読んでみてください!

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4. 君の膵臓を食べたい ー 住野よる

「あなたの膵臓を食べたい」は、2015年に出版された小説であり、2017年に映画化されたもの。「ノルウェーの森」と「僕は明日、昨日のきみとデートする」と同じように、映画が出てきて気になったから見て、好きすぎて原作を早速買いに行くという流れだった。主人公である少年が病院でクラスの同級生と偶然に出会って、彼女の病気について知ってしまい、その結果として生まれる友情から愛情になりかける言葉にうまく表せない関係。20年が経ち、自分の母校の先生になった主人公が高校時代の彼女のことを思い出しながら語ってくれている。

初めて映画を見たときは正直号泣してしまった。なんとなく、自分の高校時代を思い出して、2時間ほど10年前の自分に戻った感じがした。自分が主人公の少年と似たような性格があると思うので、彼の気持ちがあまりにも同感しすぎてストーリーの幸せや切なさ、全ての感情がさらに強くなったりした。全体的にこの話は辛くて切ないところがたくさんあるが、自分の人生について振り返らせられる機会にもなると思う。人生にはどのような唐突な展開があるのかわからない、かつ予知ができないということについて学ぶことができた。

ネタバレせずに言うが、僕が好きなシーンは2つある。好きと言うより、見た瞬間に感動しすぎて忘れられないシーンになった。①彼が入院している彼女を何も言わずにお見舞いするシーン ②最後のあたりに彼が彼女の実家に訪ねてお母さんとお話するシーン。

小説を読んでから映画を見る順番がオススメ。映画の主人公と彼女の俳優があまりにも良すぎてかつ個性が強いので、映画を見てしまうとそれぞれのキャラクターのイメージができてしまうと思う。

5. 千羽鶴 ー 川端康成

「 千羽鶴 」 は、昭和24年から昭和26年にかけて雑誌上に断続的に連載された長編小説である。川端は、この作品で昭和26年度芸術院賞を受賞している。

亡き父の不倫相手であった太田夫人から寂しさを訴えられ、不思議な親しみと安堵感を覚えて一夜を共にすることから始まる、ゆがんだ愛。そしてその娘文子とも関係を持ってしまう菊治。冷静に考えると汚い話ではあるが、川端康成の書き方で何か綺麗な話にも読めてしまう。

この本を初めて手にしたのは、確か大学受験の直前の頃だった。当時では、男女の愛とまぐわいを知り、理解できなかったことが、人生経験を積むことで味わい深く読むことができた。テーマとしては女と美と死という3つ。ノルウェーの森も同じようなテーマについて書かれており、日本の文化や考えを知らなければ、(知っても)読んで刺激を受けることになると思う。こういった、連綿と受け継がれるのは西洋の文学にはあまり見られないものであり、新鮮なストーリーだ。

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